制作者に聞いてみた -Stroll Green-

■課題~取り返しのつかない要素とチャット機能

--長さもそうですが、課題になった所はありますか?

ヒサギ:無理なく起承転結のあるロールをしつつ、多くのキャラクターと接していく……となると、それなりの期間が必要だと思うんですよね。特に、キャラクターがロールプレイで選択する行動に説得力を持たせるためには時間が不可欠だと考えています。

課題としては、特にゲーム初期にありがちなのですが、取り返しのつかない要素があって、それに気づいてしまうと、あるいは1ミスが致命的だったりすると、途端にやる気が減退していくことですね。そういったことで楽しく遊べなくなってしまうことはとても勿体ないと思うので、そういうのができるだけ排除できる仕組み作りができたらいいなと思っています。

あとは、チャット上での直接的なゲーム内攻略の話とかでしょうか(いわゆるメタ会話)。ただ、人によって意見が分かれるところなので色々な声を大事にしたいのですが、最低限住み分けられる仕組みがあるといいのではと考えています

課題は話すといっぱいあって長いので、問い合わせやゲーム全体を見渡して特に重要だと思った点について抜粋しました。

つくもしき:GF最初の1APで、ビギナだけの花壇(*5)を育ててしまったぼくでも取り返せる良い塩梅でしたね。そしてやはりチャット面ではどのGMさんも同じように煩悶(はんもん)されているようですね……

--私もつくもさんと同じでビギナだけの花壇を育てたり、完全に無駄というわけではないんですが、休憩なしで散策できたことを知らなかったりしましたね。

*5 初期の花壇には一輪だけビギナの花があり、花壇の整備をしないまま花を育ててしまうと、その一輪だけ育ててしまう(「GF」では、初めから種を植えられる花壇が8つある)

つくもしき:同志《タヴァーリシチ》ィ………… (*6)

*6 ロシア語で”同志”。Товарищと書く。

つくもしき:そのチャットについてですが、今期から周囲チャットが追加されましたが、直近で散策した地点しか入れないなど、他タイトルのチャットシステムとは異なる点がいくつかありました。差別化にあたって留意された点などはありますか?

ヒサギ:これに答えるためにまず個室チャット(自由に作成することができる、全体タイムラインから隔離されたタイムライン)の課題を説明しなければならないのですが、よく見かける個室チャットがあれば確かに要望にも答えられますし、上記の課題も解決しそうだとは思いましたが、これはこれで「新規の交流のハードルが高くなり、コミュニティが閉鎖的になってしまう」という大きな課題がありました。持ち前のアイデアではこれが解決できなかったため、別の形にしようと思いました。

個室チャットを実装せずに個室チャットのようなことが、世界観的に説明のつく形で実装できないかなと考えたのがこの機能ですね。「その場所にいる」ということが、ゲームシステムとして説得力を持たせられたのが、良い点かなと思っています。

つくもしき:全体チャットだけでも、個室チャットありでもそれぞれ課題があるのは承知しているため、「なるほどな~~~~」となりました。結果的にも周囲チャットは住み分けできてたので良いと思いますね!

ヒサギ:もう少し良いアイデアはきっとあるのではないかな、とは思っていますが……!

--悩んでいた所に個室チャットという物があるんですね これはおそらく辛かった所の一つだと思いますが、ほかに楽しかった所や辛かった所はありますか?

ヒサギ:そうですね。やはり他の定期GMさんも言うように、反応、特に良い反応があると楽しいなと思います。

このゲームは多彩な仕掛けや小ネタの類を多く含んでいるので、そういうところに気付いてくれたりすると楽しいです。楽しいとやっぱりモチベーションが上がり、良い循環が生まれると思います。

辛かった点では、特に「ソラニワ」では、わりと見切り発車でスタートしたので、コンテンツ作成がギリギリになってたことですね……次はもっと余裕を持ちたいです。不具合修正、バランス調整、問い合わせサポートデスクなどがある中でこれなので、本当に時間との勝負でした。

ちなみに運営に対して不満や文句とかはあんまり飛んでこなかったんですね。(次回はもしかしたら飛んできたりして・・・)

つくもしき:ひとりでやるしごとりょうではない……

ヒサギ:運営は一人ですからね……

--「ソラニワ」から、「GF」になって、様々な要素が増えたりしましたが、一番やりたかったことはなんでしょうか?

ヒサギ:一番やりたかったのは称号機能ですね。お知らせにも一番上に書きましたし。本当は実績機能の副次的なものとしてやりたかったのですが、どうしても手間がかかるので部分的に断念しました。

内容としてはただの言葉遊びですし、他のゲームでもしばしば見かけるものですが、舞台設定として「言葉が持つ力」が一つの鍵になっているため、言葉遊びはシンプルに言葉遊びとして取り入れようと思いました。

つくもしき:ピッタリな称号もあったので大いに活用させていただきましたね。

ヒサギ:作ってから思いましたが、だいぶ趣味に寄せすぎた節はありましたね。

つくもしき:次回、称号公募!(?)

ヒサギ:お待ちしております(?)

■「ソラニワ」3期と次回作について

--最後に、ゲームのこれから… ユーザーの冗談(*7)でソラニワ3期のお話が話題になったりしましたが、次期は”Stella Board(ステラボード)”になるかと思いますが、「ソラニワ」の3期というものの可能性は現時点で考えられますか?

*7 150000のキリ番を取った、ねこれーさんのPCであるつむぎさんの発言(掲載許諾済み)

ヒサギ:個人的には開催したいとは思っています。やるとすれば「GF#2」という形でしょうか?しかし同じコンテンツで3回目……はさまざまな観点から難しいと思うので、もう少しなんとかしたいですね。

基本的には「GF」は新しく始められるほど「やりたい!」と思える追加のアイデアが多くあったため行った形なので、「これはおもしろそうだ!」と思えるアイデアが湧いてきたらいつかやる、ぐらいのような気がしています。

とりあえず、今はまずは「ステラボード」の準備で手一杯というところでしょうかね。

--はい!「ステラボード」を楽しみに、そして3期も、あるならば、楽しみにしております!!

つくもしき:全てがうまくいけばまた無事死ねるわけですね!まずは「ステラボード」ですが、いずれにせよ楽しみにしております

ヒサギ:庭園や次のゲームで再びお会いできるのをお待ちしております。

--それでは今回インタビューに応じてくださったお二人方、ありがとうございました!今後も「ステラボード」の記事を書かせていただいたりしたいと思いますので、また機会がありましたらよろしくお願いします!

ヒサギさんのTwitter ※本記事の画像はいずれもヒサギさんに掲載許可をいただき、掲載しているものです。

つくもしき:本記事での有識者代表、筆者では知らない情報を質問していただくなど、多いな助けになりました。ありがとうございました! アイコンはソラニワGFでのつくもしきさんのPCであるEno.57 ジェセニア・マリ・アイゼンさん